…関数に対する微分や積分の演算を記号的,あるいは代数的に行い,微分方程式を形式的に解く手法を演算子法という。19世紀の終りころに,イギリスの工学者O.ヘビサイドが電気工学におけるいろいろな現象を記述する常微分方程式や,電信方程式と呼ばれる偏微分方程式を解くのにこの手法で成功をおさめて以来,演算子法はまとまった一つの理論となった。しかし,彼の議論は数学の対象としうるほどの厳密さを備えていなかった。その後,ラプラス変換や超関数などによる裏づけがなされてしだいに体系を整えてきた。…
…これらの関数はすべてを満たしながら,図に示すように,nが大きくなるに従ってその重みがx=0の近くへしだいに集中していくので,上に述べた直観的解釈に合致する。なお,ディラックは次のヘビサイド関数, Y(x)=1(x≧0),Y(x)=0(x<0)の導関数がδ(x)であるとし,さらにδ(x)の導関数δ′(x),δ″(x),……をも扱ったが,これらも超関数の理論によってすべて数学的に厳密に意味づけられた。超関数【伊藤 清三】。…
※「ヘビサイド関数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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