世界大百科事典(旧版)内のヘモグロビンH症の言及
【サラセミア】より
…4個のα鎖遺伝子のうち,4個すべての欠損は,α鎖産生を完全に抑制し胎生期に胎児水腫症をおこし死早産をおこす。3個の欠損はヘモグロビンH(HbH)症という重症な溶血性貧血を生じ,2個の欠損は臨床的には軽症で,1個の欠損は無症状である。β鎖の産生の減少は,βサラセミアといわれ転写に関するmRNAの異常で,1組の対立遺伝子の双方が異常のホモ接合体の場合はβ鎖のmRNAの欠損によりβ鎖をまったく合成しない重症型となり,高度の溶血性貧血などをおこし,片方が異常のヘテロ接合体の場合は種々の程度の貧血と黄疸を示す。…
※「ヘモグロビンH症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」