世界大百科事典(旧版)内のヘルギの歌の言及
【エッダ】より
…愚直で生一本のトール神の冒険を扱って秀逸な〈ヒュミルの歌〉〈スリュムの歌〉,神々の中でいちばん賢いオーディンともの知り巨人の首をかけての知恵くらべ〈バフスルーズニルの歌〉,巨人の国から帰るトールと渡し守に化けたオーディンの瀬戸をはさんでの口論〈ハールバルズの歌〉,海神エギルのところでの神々の酒宴にロキが乗りこんで次々に神々を罵り,スキャンダルをあばく〈ロキの口論〉など,神話詩全体としてみるとオーディンの占める位置の大きさが目だつ。 英雄詩は〈ヘルギの歌〉と〈ニブルンガルの歌〉の二つのグループに分けられる。全ゲルマンに広くうたわれた英雄たちの武勲や悲劇を伝えたもので,ドイツの中世叙事詩や古英詩のそれと違う点は,キリスト教や中世騎士道の影響をほとんど受けずに,民族大移動期を背景にした異教的な英雄精神をよくとどめていることである。…
※「ヘルギの歌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」