世界大百科事典(旧版)内の《ヘルメスの詩》の言及
【エルメティズモ】より
… しかしながら,このような解釈と方向づけは,ファシズムの時代に沈黙し,社会的責務を果たしえなかったイタリア現代詩の亀裂を,故意に隠蔽するものであるとして,クアジモドが激しく異議を唱えた。彼が主張するように,〈エルメティズモ〉の詩が初めて本格的に論じられたのは文学史家フローラの評論《ヘルメスの詩》(1936)においてであった。このなかで,フローラはウンガレッティの句読点なしの短詩型をもっぱら〈断片主義〉の詩法ととらえ,〈エルメティズモ〉の本流をむしろクアジモドの詩作のほうに認めようとした。…
※「《ヘルメスの詩》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」