世界大百科事典(旧版)内のベドゥータの言及
【イタリア美術】より
…画家ではピエトロ・ダ・コルトナ,A.ポッツォが,イリュージョニスティックな天井画を描いて信者を天国へと誘った。バロック美術
【18~19世紀】
18世紀は,ベネチアが,印象主義の真の祖とも呼びうる〈ベドゥータveduta(眺望画)〉によって,現代を予告している。カナレット,F.グアルディは,外光の描写を初めて実現した。…
【ベネチア派】より
…それゆえ,人物モティーフの衒学(げんがく)的なレトリックが空間を占有する中部イタリアのマニエリスムは,本質的にベネチア派とは相入れず,それはティツィアーノやティントレットに一時的な影を落とすだけで,実質的にはバロック的なドラマトゥルギーや華麗なページェントに転化されていく(ベロネーゼ,ティエポロ)。ジャンル的には,とくにベネチア派独自のものとして街景画(ベドゥータveduta)と肖像画をあげることができよう。ヤコポ・ベリーニ以来の人物より環境空間を重視する傾向は,一方ではジョバンニ・ベリーニ,ジョルジョーネ,初期のティツィアーノという抒情的な理想郷的風景表現の系譜となり,他方でジェンティーレ・ベリーニやカルパッチョから18世紀のカナレット,ベロットに至る都市空間を明晰な遠近法で再現する街景画の系譜となって,近代的風景画の中に流れ込んでいく(この中でグアルディは街景画を非現実的な詩的幻想に転じたことで異色の存在である)。…
※「ベドゥータ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」