世界大百科事典(旧版)内のベルニ・マルタンの言及
【漆工芸】より
…フランスでは18世紀初めに王家御用職人の肩書をもつG.ダグリがパリにジャパニングのアトリエを開くなど,ヨーロッパに流行したジャパニングは,東洋陶磁器とともに後期バロックの中心的役割をになった。18世紀中期にパリで活躍したマルタン一家による〈ベルニ・マルタンVernis Martin〉は,日本漆芸に近い優秀品といわれたが,その確実な遺品から考えると蒔絵の模倣よりもロココ風デザインと色彩をもって装飾したものが多く,しだいに技法だけが応用されてロココ様式の中に吸収されていく過程がみてとれる。 ヨーロッパでのほんとうの漆を用いた工芸品の製作は20世紀に入ってからといえる。…
※「ベルニ・マルタン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」