世界大百科事典(旧版)内のベルベデーレの中庭の言及
【庭園】より
… 15世紀末から16世紀の初頭にかけて,すなわち盛期ルネサンスの頂点に,文化の中心がフィレンツェからローマへと移ってきたときに,以後の庭園の構成に大きな影響を与える二つの庭が造られた。一つは大建築家ブラマンテが設計したバチカン宮殿のベルベデーレの中庭で,ここでは細長い敷地に軸線を通して奥行き方向に3段のテラスが築かれ,壮大な階段が空間のアクセントになって,最奥部は巨大なニッチに終わっていた。また建築家でもあったラファエロがジュリオ・デ・メディチ(のちのクレメンス7世)のために造ったビラ・マダマVilla Madamaは,ハドリアヌス帝のウィラに範をとったものだが,ブラマンテの例と同様な造りのほかに,グロッタを主題として大々的に採用したことと水を活用したことが際だっていた。…
※「ベルベデーレの中庭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」