世界大百科事典(旧版)内の《ベルリンよ,さらば》の言及
【嵐の中の青春】より
…A.マッケンドリック(《マダムと泥棒》1955)と並んでイギリス喜劇映画の伝統(いわゆるバルコン・タッチ)を受け継ぐ,戦後派のH.コーネリアス監督作品で,〈奇々怪々ともみえる現実をドキュメンタリーでとらえた〉(花田清輝)異色の青春映画。原作は,ヒトラー政権出現前夜のワイマール・ドイツを外国人の目で描いたC.イシャウッドの連作小説《ベルリンよ,さらば》の1編《サリー・ボールズ》(1939)から,ジョン・バン・ドルーテンが《私はカメラだ》の題で劇化(1952)したもの。これを作家のJ.コリアが映画用に脚色。…
【イシャウッド】より
…39年アメリカに移住し東洋哲学に興味を持つとともに,第2次大戦後は南米旅行記《コンドルと牝牛》(1949),小説《夕暮れの世界》(1954)などを発表している。しかし彼の最もすぐれた仕事は,カメラアイという映画的手法でヒトラー政権直前のベルリンを描いた《山師》(1935),六つの短編小説の連作から成る《ベルリンよさらば》(1939)で,特に映画《嵐の中の青春》をはじめ,何度か映画化・劇化されている。【鈴木 建三】。…
※「《ベルリンよ,さらば》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」