ベル,D.(読み)べる

世界大百科事典(旧版)内のベル,D.の言及

【イデオロギー】より

…たとえば権威主義的パーソナリティと反民主主義的イデオロギー(ファシズム,自民族中心主義,反ユダヤ主義など)との関係(M.ホルクハイマーやT.W.アドルノの研究),保守主義ないしは急進主義的イデオロギーと剛直な気質tough mindないし柔和な気質tender mindとの関係(A.ファーガソンやH.J.アイゼンクの研究)などがそれである。なおイデオロギー論の歴史で見落とせないものとしてもう一つ,1950年代から60年代にかけてベルDaniel Bell(1919‐ )やリプセットSeymour M.Lipset(1922‐ )らによって喧伝された〈イデオロギーの終焉〉論がある。その主張の要点は,先進資本主義諸国における〈豊かな社会〉の到来とともに,階級闘争を通じての社会の全面的変革という理念はその効力を失った,というものである。…

【産業社会】より

…東西冷戦下で,発展途上国を共産主義化させることなく,いかに〈離陸〉させうるかがその研究に込められた鮮明な実践的ねらいであった。代表的な業績にはC.カーらの〈インダストリアリズム〉論,W.W.ロストーの〈経済成長の諸段階〉,ロスとハートマンの労働争議の国際比較研究などがあるが,影響力の大きさという点では,D.ベルの〈イデオロギーの終焉(しゆうえん)〉論,R.ダーレンドルフの社会階級論も見落とせない。その業績のほとんどが1960年に出版されているから,現代の(後期)産業主義を〈1960年パラダイム〉と呼ぶこともできよう。…

【脱工業社会】より

…物質とエネルギーを基礎とする工業に代わって,情報,知識,サービスなどに関する産業が重要な役割を果たすようになる社会,あるいは,そのことを通じて,経済成長を追求し産業中心志向を脱する社会のこと。脱工業社会という言葉は,1960年代の半ばころからアメリカの社会学者ベルDaniel Bellらによって用いられはじめ,その後,人によって意味やニュアンスの違いをともないながらも,多くの人々によって使われるようになった。 ベルによれば,脱工業社会とは,財の生産からサービス(とくに高度な情報サービスなど)に経済活動の重心が移行し,それにともなって〈知識階級〉と呼ばれる専門・技術職層の役割が大きくなり,組織運営の様式も効率重視のものから経済外的諸要因をも配慮する〈社会学化様式〉に変わっていく社会である。…

【文化】より

…彼はトーテミズムを,自然界と社会を含む万物を分類するという人類の一般的性向に随伴しておこる現象と見ている。レビ・ストロースの神話の分析には,確かに誇張や言過ぎがあるかもしれないが,彼の功績について〈ある精神的大陸の開拓者が地図を十分に書いていないということで彼を非難すべきでない〉とスペルベルD.Sperberが述べているとおりであろう。
[象徴体系としての文化]
 前述の二つのアプローチとは異なる今一つの文化のとらえ方は,シュナイダーD.Schneiderとギアツによってなされている。…

※「ベル,D.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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