世界大百科事典(旧版)内のほかい人の言及
【乞食】より
…いずれも第2の場合と同じく,もともとこじきだったわけではない。むしろ季節を定めて祝福に訪れてくる神々への信仰に源流をもち,神の姿をした祝福芸人〈ほかい人〉の末裔にほかならなかった。だから,《万葉集》巻十六に〈ほかひびと〉の歌がおさめられていることからもわかるように,その起源はきわめて古いといってよい。…
【ほかい】より
…〈ほかい〉は,元来は神を祝福することを意味した。神を祝福することはこの世に幸福を招くことになる,と考えられたのである。転じて,祭りや酒宴のときの祝いごとをも指すようになり,古くより大殿祭(おおとのほかい),酒楽(さかほかい)之歌などの語が見える。他方,門ごとに祝言(しゆうげん)を述べて歩き,報酬として米や物を得る人々も〈ほかいびと〉といわれた。《万葉集》巻十六には乞食者詠(ほかいひとのうた)があって,これは天皇を寿(ことほ)ぐ歌だが,神や精霊に対する祝言は身分の低い者が身分の高い者に対して行う寿詞(よごと)奏上の形式をとったものと推測させる。…
※「ほかい人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」