世界大百科事典(旧版)内のホケット,C.の言及
【形態論】より
…そこでhit〈打つ〉のように現在と過去が同形をなすものについては,過去形態素にゼロ異形態/ø/を認めれば,過去形のhitも/hit‐ø/という過去形の公式で処理できるとしている。(f)またアメリカの構造言語学者ホケットCharles F.Hockett(1916‐ )は〈すわる〉の過去形sat/sæt/は現在形の/sit/に過去形態素が重複して融合した〈カバン〉型の形態をなしているとの見解を示した。(2)形態素を分析する三つの立場 (a)語形交替に〈過程〉を認める項目過程方式では,英語の単数名詞man/mæn/〈人〉が複数形のmen/men/になるとき,{mæn}+{複数形態素}において複数形態素が語幹の母音に作用して/æ→e/という内部変化(過程)を引き起こしたと解釈している。…
【構造言語学】より
…1930年代後半から50年代にかけての約20年はL.ブルームフィールドの追随者たちによるアメリカ構造言語学の全盛期でその影響は全世界に及んだが,末期には理論的行詰りを生じた。音素論ではブロックBernard Bloch(1907‐65),トウォデルWilliam Freeman Twaddell(1906‐ ),形態論ではハリスZelig Harris(1909‐ ),ホケットCharles Hockett(1916‐ ),ナイダEugene Nida(1914‐ )らの業績が重要である。分布主義的方法論の祖述としては先のブロックとトレーガーGeorge Trager(1906‐ )の《言語分析概説Outline of Linguistic Analysis》(1942)とハリスの《構造言語学の方法Methods in Structural Linguistics》(1951)が代表的であるが,とくに後者は分布主義の方法論的行詰りを認め,弟子のN.チョムスキーによる反分布主義的な変形生成文法(生成文法)への道を開いた。…
※「ホケット,C.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」