世界大百科事典(旧版)内のホルツバウアー,I.の言及
【マンハイム楽派】より
…とくに優秀な楽員を集めたその宮廷楽団は,統一されたボーイングと自在な強弱法など,当時の欧州随一の整然とした演奏能力を誇り,オーケストラ演奏とシンフォニア(交響曲)の発展に多大の貢献をした。この宮廷楽団を育成したチェコ出身のシュターミツをはじめ,リヒターFranz Xaver Richter(1709‐89),ホルツバウアーIgnaz Holzbauer(1711‐83),さらにカンナビヒ,シュターミツの息子カールおよびアントンら,優れた作曲家,演奏家が輩出した。いわゆるマンハイム様式は,有名なクレッシェンド効果と音量の急激な対比,〈ため息の動機〉と呼ばれる2度下行する短い音型や〈ラケーテン(打上げ花火)〉と呼ばれる勢いよく上行する分散和音の音型,のびのびとした旋律線,主題対比,メヌエットを第3楽章に置く交響曲の4楽章制,クラリネットの導入などを特徴とする(ただしこれらは必ずしもマンハイム起源のものではない)。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」