ホンテルス,J.(読み)ほんてるす

世界大百科事典(旧版)内のホンテルス,J.の言及

【トランシルバニア】より

…宗教改革は民族意識を目覚めさせ,クルジュ市のカルバン派への改宗のときのように,それはマジャール人とザクセン人の対立の様相を呈したが,諸民族の共存関係の上に立ってきたトランシルバニア社会の特質により,1557年にはカトリック,ルター派,カルバン派が公認宗教と認められ,宗教戦争の時代のヨーロッパにおいて初めて宗教的寛容が実現され,71年には,反三位一体派も公認宗教となった。東方正教の地位は変わらなかったが,〈トランシルバニアのルター〉と呼ばれたヨハネス・ホンテルスJohannes Honterus(1498‐1549)による印刷術の導入は,ルーマニア人コレシCoresi(1510ころ‐81ころ)によるスラブ語の教会聖典の印刷を可能にした(1557)。16世紀末にトランシルバニア公バートリ・イシュトバーンはポーランド国王となり,また三十年戦争でトランシルバニア公国は国際政治上重要な役割を演じ,ウェストファリア条約にも独立国として名を連ねたが,これらはトランシルバニア公の権力の増大を意味した。…

【ブラショブ】より

…国外で高い評価をうけた武器製造職人や東西貿易に従事する大商人が活躍したのもこの頃である。1533年,ウィーン,クラクフ,バーゼルに長く滞在した同市出身のドイツ人人文主義者J.ホンテルスが帰郷し,宗教改革運動の口火を切った。やがてトランシルバニアのザクセン人共同体はルター派に改宗したが,彼はまたトランシルバニアで最初の印刷所を設立したり,最初のトランシルバニア地図を作製したりして,文化的発展に貢献した(彼の像はいまも〈黒い教会〉のかたわらに立っている)。…

※「ホンテルス,J.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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