世界大百科事典(旧版)内のボーアの原子模型の言及
【原子】より
…しかし,原子の正しい記述には,電子の波動性を内含する理論,すなわち量子力学が必要であり,この点でボーア,ゾンマーフェルトの理論は不完全である。ゆえにボーアの理論はボーアの原子模型と呼ばれる。
【量子力学と原子】
[電子の波動性]
電子は粒子であるが,波動性を示すことが結晶による電子線の回折で明らかになった。…
【原子スペクトル】より
…原子の発する光および原子の吸収する光のスペクトル。線スペクトルと連続スペクトルとからなるが,ふつう原子スペクトルというと線スペクトルの部分を指す。 気体に光をあてると,気体中の原子によって特定の波長の光が吸収され,スペクトルに暗線が現れる。1813年ごろJ.フラウンホーファーは太陽光スペクトルの中にある暗線を観察し,おのおのの色の中で代表的なものを選んで,A,B,C,D,E,F,G,Hと名づけた。この太陽光スペクトルの暗線はその後フラウンホーファー線と呼ばれるようになり,今日の知識によれば,これらの暗線は太陽内部から発せられる光が,太陽周辺部および地球の大気を通過する際に,気体中の原子によって特定の波長の光が吸収されることによって生ずるものである。…
【ボーア】より
…デンマークの理論物理学者。コペンハーゲンに生まれ,コペンハーゲン大学で学ぶ。1911年の学位論文のテーマは,金属の諸性質を包括的な理論によって説明しようと多数の理論物理学者が取り組んでいた〈金属の電子論の研究〉であった。徹底した古典物理学による検討にもかかわらず,熱放射や磁性などの合理的説明を与えることはできなかったが,この検討によって,彼は原子内部の運動を記述する新理論にはプランクの量子仮説が不可欠であることを認識した。…
※「ボーアの原子模型」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」