世界大百科事典(旧版)内のマイノリティの言及
【エスニシティ】より
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[多文化主義の基盤へ]
エスニシティ概念は,第2次世界大戦後〈人種のるつぼ〉社会(メルティング・ポット論)の模範とされたアメリカで,1960年代に黒人公民権運動が盛んとなり,黒人やスペイン語系住民(ヒスパニック)がメルティング・ポットからの排除・差別に対し異議申し立てをしたこと,また,多くの非英語系移民・難民が,アメリカ社会に適応しつつも伝統的文化をかなり保持し結束していたことから〈メルティング・ポットの終焉〉が叫ばれ,サラダ・ボウル型多民族国家論(サラダ・ボウル論)が論じられたことなどにより普及した。さらに,同化・融合政策をマイノリティ(少数派)が批判しはじめると,エスニシティ概念は肯定的にみられ,カナダ,オーストラリアでは,1970年代より多文化主義政策の基盤となった。
[適用範囲の拡張]
エスニシティ概念の普及はその適用範囲を拡張した。…
※「マイノリティ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」