世界大百科事典(旧版)内のマンデビル,B.deの言及
【重商主義】より
…この意図は,D.ヒュームやJ.タッカーを経てA.スミスにつながる経済思想であった。
【主要な理論家・思想家】
重商主義期の主要な理論家・思想家としては,以上に挙げた人たちのほかに,イギリスでは,労働価値説を萌芽的に説き古典派経済学の最初の人と評価されているW.ペティ,私的所有権の根拠を労働に求めその見地に立脚してT.ホッブズからの前進を示し同時に貨幣・利子論の分野でも貢献したJ.ロック,ロックの貨幣・利子論の系譜に属する自由貿易論者J.バンダーリント,重商主義的性格を残しながらも特異な思想家として主著《蜂の寓話》(1714)を著したB.deマンデビル,古典派経済学の生誕を用意した関係にあるR.カンティヨン,J.ハリス,スミスの師F.ハチソン,さらに有効需要重視の観点から経済学の体系化を試み《経済学原理》(1767)によって〈最後の重商主義者〉と呼ばれることになったJ.スチュアートなどを挙げることができる。 イギリス以外の後進資本主義国だったフランス,ドイツ,アメリカなどは,イギリスの世界市場支配とその産業革命の進展に影響されつつ,その特殊な後進的社会構造を資本主義化したために,重商主義の語をこれらの国における歴史的体制概念として使用することは困難である。…
【蜂の寓話】より
…イギリスの政治風刺家マンデビルBernard de Mandeville(1670‐1733)の著作(1714)。マンデビルはオランダに生まれ,ライデン大学で医学と哲学を学び,後にイギリスに帰化した。…
【マーケット・メカニズム】より
…それは各人の意図(利己心による利益の追求)と社会的帰結(社会的効率性の達成)のくい違いの発見であったということもできる。この発見に関して,まずその名前を挙げなければならないのは,オランダ出身のイギリス人マンデビルBernard de Mandeville(1670‐1733)である。彼の政治的風刺詩《蜂の寓話》は,巣の中の個々の蜂は醜い私欲と私益の追求にあくせくしているが,巣全体は豊かに富み,力強い社会生活が営まれている姿を巧みにうたっている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」