世界大百科事典(旧版)内のマン,A.の言及
【マカロニ・ウェスタン】より
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[マカロニ・ウェスタンの特質]
イタリア製西部劇は,当初はアメリカ製を装ったイミテーションとしてつくられ,主役はハリウッドから出演料の安い三流スターを招き,イタリア人の俳優やスタッフもすべて英語名の変名を名のるといったぐあいで(たとえば,当初セルジオ・レオーネ監督はボブ・ロバートソン,俳優のジュリアーノ・ジェンマはモンゴメリー・ウッドと名のっていた),先のspaghetti westernというのもそれを揶揄(やゆ)した蔑称にほかならなかった。1950年代に西部劇の傑作の数々(《ウィンチェスター銃73》1950,《怒りの河》1952,《裸の拍車》1953,《遠い国》1955,《西部の人》1958,等々)をつくったアメリカの監督,アンソニー・マンAnthony Mann(1906‐67)にいわせれば,〈西部劇の本物の精神がこもっていない。登場する男たちの歩く道は人生の暗黒面でしかない。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」