世界大百科事典(旧版)内のマーヤー夫人の言及
【コーリヤ族】より
…インド,ブッダ(仏陀)時代の部族の一つでクシャトリヤ階級に属する。その国家は部族共和制の組織をもっていた。ローヒニー川をはさんでシャーキャ(釈迦)族と隣接し,両部族は婚姻関係によって結ばれていた(ブッダの母のマーヤーMāyā夫人はこの部族出身とされている)。ローヒニー川の水利をめぐる両部族の争いをブッダが仲裁した話は有名。ブッダの死後,コーリヤ族は仏骨の一部を手に入れ,塔を建立したという。【山崎 元一】…
【釈迦】より
…仏教の開祖。釈迦はサンスクリット語のシャーキャムニŚākyamuniの音訳,釈迦牟尼(むに)(〈釈迦族の聖者〉)の略。釈尊(しやくそん)は釈迦牟尼世尊(せそん)(尊称)の略。釈迦は歴史的実在の人物であり,その人種的帰属(モンゴル系かアーリヤ系か)や死没年(前483年,前383年など,南方仏教圏では前543年)は学問上の問題として論じられている(釈迦が80歳で死去したことは定説とされる)。 インド・ネパール国境沿いの小国カピラバストゥKapilavastuを支配していた釈迦(シャーキャ)族の王シュッドーダナŚuddhodana(浄飯(じようぼん)王)とその妃マーヤーMāyā(麻耶)の子としてルンビニー園で生まれた。…
【ムユウジュ(無憂樹)】より
…漢訳では阿輸迦,阿叔迦などと音写され,またサンスクリットで〈アショーカaśoka〉が〈憂いなし〉を意味するため〈無憂樹〉とも意訳される。釈迦が,ルンビニー園のこの木のもとで,マーヤー(摩耶)夫人(ぶにん)の腋下(えきか)から出生したという伝説で有名な木である。釈尊成道のいわゆる菩提樹とこの木が同一視されているのは誤りであるが,過去七仏の一つである毘婆尸仏(びばしぶつ)(パーリ語でビパッシンVipassin)は,このアショーカジュのもとで悟りを開いたと伝えられる。…
※「マーヤー夫人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」