破竹の勢い(読み)ハチクノイキオイ

デジタル大辞泉 「破竹の勢い」の意味・読み・例文・類語

破竹はちくいきお

《「晋書杜預伝から》竹が最初一節を割るとあとは一気に割れるように、勢いが激しくてとどめがたいこと。「破竹の勢い連戦連勝する」
[類語]強い強力強大無敵最強力強い・勝負強い・屈強強豪強剛剛強一騎当千手ごわい精強多力強烈強勢パワフル強靭精鋭

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精選版 日本国語大辞典 「破竹の勢い」の意味・読み・例文・類語

はちく【破竹】 の 勢(いきお)

  1. ( 竹は、一節割れ目を入れると、次々に割れて行くところから ) 猛烈な勢いで進むこと。また、勢いが盛んで押さえがたいこと。
    1. [初出の実例]「速施破竹之勢、勿反水之悔」(出典日本三代実録‐元慶二年(878)四月二八日)
    2. 「我軍は今回の大勝に引続き破竹の勢を以て北進するより」(出典:東京朝日新聞‐明治三八年(1905)三月二二日)
    3. [その他の文献]〔北史‐周高祖紀〕

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故事成語を知る辞典 「破竹の勢い」の解説

破竹の勢い

猛烈な勢いでものごとが進むことのたとえ。また、勢いが盛んで押さえがたいことにいう。

[使用例] 都に程なき信濃には、木曾次郎が兵を起して、ひょうえのすけと相応じてその勢い破竹の如し[高山樗牛*滝口入道|1894]

[使用例] 昭和四十三年に船橋ジムからデビューし、第一戦を第一ラウンドのノックアウト勝ちで飾って以来、破竹の勢いで連勝記録を伸ばしていった[沢木耕太郎*一瞬の夏|1981]

[由来] 「晋書伝」に載せる話から。二八〇年、中国の北部を支配していた西せいしん王朝の軍は、南部の王朝に攻め入り、都の近くにまで迫りました。しかし、折しも蒸し暑い雨季にさしかかるころ、指揮官たちの多くは、疫病への恐れから、涼しくなるのを待ってもう一度、攻め込もうという意見。そんな中、杜預という将軍だけは、このまま攻め進むことを主張します。「今の勢いならば、残りの戦いは『たとうれば破竹の如し(たとえるなら竹を割るようなものです)』。刃を差し入れて、数節だけ裂け目を入れれば、あとは一挙に割れてしまうでしょう」。戦いは彼の言うとおりに進み、晋は呉を滅ぼすことができたのでした。

[解説] ❶杜預は、歴史書の「春秋左氏伝」を愛読し、博学で知られた武将。豊富な歴史知識を生かして、情勢をきちんと判断できたのです。まさに知勇兼備の名将と言えるでしょう。❷本来は、最初に力を加えるだけで、あとはたやすくものごとが進んで行くことを表します。しかし、現在では、竹が割れるときの勢いのよさに重点を置き、猛烈な勢いでものごとが進行することを指して使われています。

〔異形〕勢い破竹のごとし/破竹の進撃

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