世界大百科事典(旧版)内のマー,D.の言及
【画像処理】より
…実際には人間の網膜は初期の画像処理機能を有し,眼球の特徴的な動きによって脳に入力される信号を処理することによって人間は物を見ていることが知られている。D.マーの提唱した初期視覚の理論以来,多くの研究が行われるようになり,この人間の視覚系のしくみを解明し応用しようとする分野はヒューマンビジョンと呼ばれている。 また,マルチメディアやインターネットの時代の幕開けとともに,重要となりつつあるのが,映像のインデクシング(インデックス付けによる構造化)である。…
【知覚】より
… W.ブントやE.B.ティチナーなど構成心理学の人々は,要素的な純粋感覚を仮定し,その総和と,それと連合した心像(以前に経験した感覚の痕跡)を加えたものが知覚であると考えた。しかしM.ウェルトハイマーやW.ケーラーなどゲシュタルト心理学の人々は,知覚を要素的な感覚に分けることは不可能で,むしろ直接的に意識にのぼるのはつねに,あるまとまった知覚であると考えた。例えばウェルトハイマーが1912年に発見した仮現運動の場合は,少し離れた2個の光点が順番に提示されると,静止した別々の光点には見えず一つの光点が動いているという運動印象だけが得られる。…
【認知科学】より
… 1960年代になると,脳と心のはたらきの情報科学的研究がさらに進んだ。脳神経系に関しては,たとえばシナプス結合の可塑性(エクルスJ.C.Eccles),脳の半球機能(スペリーR.Sperry),小脳の運動学習機構(マーD.Marr)などがある。心のはたらきについては特に認知プロセスや言語・概念の研究が進み,たとえばプランと行動のモデル(G.ミラー,ギャランターE.Galanter,プリブラムK.Pribram),意味の記号処理モデル(ミンスキーM.Minskyら),連想記憶モデル(クィリアンR.Quillian),言語の意味論(レイコフG.Lakoffら),認知の基本カテゴリー(バーリンB.BerlinとケイP.Kay)などの成果が現れた。…
※「マー,D.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」