世界大百科事典(旧版)内のミーラースダールの言及
【地主】より
…南インドではライーヤト(直接耕作農民)と規定し,彼らと直接に地税契約を結ぶというライーヤトワーリー制度が実施された。しかし,村落調査の結果,ミーラースダールと呼ばれる小経営農民から大地主に及ぶ多様な地主集団が存在すること,しかも彼らの下にはさらに各種の占有小作人や任意小作人が慣習的な土地保有権,耕作権を保持していたことが明らかになった。そのため,南インドの地主や耕作農民の実態と定義をめぐって,20世紀初頭まで論争が繰り返された。…
【ライーヤトワーリー制度】より
…その内容は,(1)小経営自作農民を土地所有者と規定,(2)政府と土地所有者とが直接に地税徴収契約を結び,徴税請負人や大地主を認めない,(3)土質,水利,市場との距離などの条件によって地価,地税額を算定する,(4)地税額は初期には3~5年,のちには10~30年ごとに改定する,というものであった。しかし,ライーヤトの実態と旧来の地主層ミーラースダール(〈世襲権をもつ者〉の意)とのずれ,ライーヤトが実際の耕作者か否か,また小経営農民か大地主か,という問題や,煩雑な地税額規定への批判が生じ,19世紀末まで数度の改変が加えられた。【重松 伸司】。…
※「ミーラースダール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」