世界大百科事典(旧版)内のムガーバナの言及
【高利貸】より
…公定利率は月に1ディーナールにつき1ディルハムで,月利約6分7厘,年利約8割であったが,時代の推移と借入条件によって大きく変動している。それはコーランで禁止している不労所得にもとづく〈リバー(利子)〉ではなく,資本委託によって得られる〈利潤(ムガーバナ)〉であるとする解釈によって許容されたものである。しかし民間流通市場における利率は,公定利率とは異なり,複利計算によって利息が加速度的に増大し,借入元金1ディーナールが9年目には500ディーナールを超過するに至る事例がある。…
【利子】より
…イスラムではスコラ学派と同じく,貸付けからの剰余利得(利子)と投下資本からの利得(資本利潤)とを厳密に弁別し,前者を厳しく非難するが,後者はまったく容認している。当事者の一方が他方の損失を前提として利益を得る利子(リバー)は拒否するが,資本を委託して得られる商業による利潤(ムガーバナ)は許容している。こうしてイスラム世界において特異の発達をみた持分資本(キラード),すなわち商業資本の貸主と借主が利潤の一定割り前を持分として取得する協業形態が生まれた。…
※「ムガーバナ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」