世界大百科事典(旧版)内のむきだしの権力の言及
【権力】より
…もちろん,権力者は,通常の場合には,奨励(利益誘導)や義務づけ(権威・規範への訴えかけ)あるいは操作(心理的宣伝),説得(合理的議論)などに訴えるかもしれないが,これらの手段に失敗したあと(あるいはこれらの手段に従わない一部の者に対して),最終的手段ultima ratioとして強制力の行使(強権的手段の発動)に訴えることができなければ,これを権力の担い手と呼ぶことは適当ではない。逆に,強制以外の手段を補助手段としてもたず,絶えず強制に依存せざるをえない場合(これをむきだしの権力,あるいは裸の権力という)には,とうていその地位は安定的であるとはいえない。なぜなら,強制は抵抗がむずかしく短期的には最も効率的な手段であるが,不満・反発や抵抗を誘発しやすく,長期的にはコストの高い手段だからである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」