世界大百科事典(旧版)内のムサ・アクミナタの言及
【バナナ】より
…この栽培バナナは種子なしという性質をもちながら多様に分化した品種群で,東南アジア地域で複雑な過程を経て育成されたものである。すなわち,果物用バナナの大部分は,野生の種子を有するムサ・アクミナタMusa acuminata Colla(インド東部から西部マレーシア地域に野生分布)から,まず種子なしでも果実がなる二倍体品種群として育成され,さらに三倍体化して種子なしになった品種が育成され,現在ではこの三倍体群が果物用バナナとしてもっとも広く栽培されている。日本に台湾やフィリピンから輸入されているものはすべて,このムサ・アクミナタの三倍体品種群の果実であり,温室で栽培される三尺バナナ(M.cavendishii,M.nana)と呼ばれるものも,突然変異によって生じたこの種の矮型(わいけい)の品種群である。…
※「ムサ・アクミナタ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」