世界大百科事典(旧版)内のモテトゥスの言及
【ノートル・ダム楽派】より
…その後継者にあたるペロタンPérotin(ペロティヌスPerotinus)はこの曲集を改訂して,数多くの3声ないしは4声のオルガヌムを残した。さらにペロタンとその後継者たちはオルガヌムの一部を独立させて書き換えたクラウスラ,それに新しい歌詞を付け加えたモテトゥス(後年のモテット),行列歌として知られるコンドゥクトゥスなどを作曲しているが,いずれも3拍子を基本とした独特のリズムをもっている点で共通した特徴を示している。【金沢 正剛】。…
【モテット】より
…それがモテットの始源の形態である。歌詞を付された対位旋律は〈モテトゥスmotetus〉(ラテン語)と呼ばれ,その語源は古いフランス語で〈ことば〉を意味するmotであったとされる。やがて1240年ころからモテトゥスの名は,その種の作風をもつ楽曲自体の呼称となり,付加声部の数も2声部,まれには3声部にまで増大し,グレゴリオ聖歌の部分を拡大した定旋律の上に,フランス語のテキストをもち,トルベール歌曲の流れを引く世俗歌曲が置かれるという聖俗混交の形も現れた。…
※「モテトゥス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」