世界大百科事典(旧版)内のモルゲンシュテルン,O.の言及
【期待効用理論】より
…この仮説に厳密な公理体系による裏づけが与えられたのは,1950年代に入ってからである。すなわち,フォン・ノイマンとモルゲンシュテルンらの示したことは,結果に関する確率分布の順序づけが強い独立性公理を含む一組の公理体系に従うならば,事象の生起に関する主観的確率分布と結果を評価する基数的効用関数が存在して,その順序に確率と効用の積の総和として表される期待効用の水準を対応させることができるということであった。その後,期待効用理論は,ゲーム理論と密接に結びついて発展し,経済理論においてもフリードマンとサベッジは,基数的効用に関する限界効用逓減(逓増)性が危険回避(愛好)を意味することを明らかにし,アローとプラットは基数的効用関数の性質に基づく危険回避度の定義に成功するなど,マーコビッツ以降の資産選択理論をはじめとして,不確実性下の選択および経済制度の一般均衡的分析において中心的な役割を果たすに至っている。…
【ゲーム理論】より
…ゲームの理論theory of gamesとも呼ばれる。数学者J.フォン・ノイマンと経済学者モルゲンシュテルンO.Morgensternとの共著《ゲームの理論と経済行動》(1944)を出発点として発展した理論で,20世紀前半における最も輝かしい科学的業績の一つである。室内ゲームから,政治,経済,社会に至るさまざまな問題をゲームとして定式化して考察するが,ここでいうゲームとは,これらの問題を規定する1組のルールのことである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」