ヤマアテ(読み)やまあて

世界大百科事典(旧版)内のヤマアテの言及

【海】より

…〈海のものとも,山のものともつかない〉など,海と山とが二項対立的,ないしは相互に融和したかたちで表現されることが多い。 海上から山を目標にして船の所在を知ることを〈ヤマアテ〉といい,〈タケ(岳)をミル〉ともいう。〈山に求めた海の道〉といわれるのは,近代的操船以前の伝統的技術であり,海上で生活する人々にとって,実利と信仰のなかから生まれた端的な表現である。…

【沖合】より

…これに対し,沖合は,数村入会あるいは勝手次第の漁場として,地先漁場とは異なった存在であった。日本の場合,船の航法は,近代に入るまで,長くヤマアテあるいはヤマダシなどと呼ばれる陸の山や岬を目じるしとして位置を確定する方法が用いられていたため,沖合といえども,ヤマアテが可能な範囲での距離内に限定され,陸影海没地点から先のヤマナシの海へ沖合漁場が拡大されるようになるのは,ずっと以後のことになる。沖合での伝統的漁業としては,太平洋側に広範にみられるカツオの一本釣漁などが代表的なものであろう。…

【漁業】より

…現在日本の漁業は世界一の地位を占めているが,本項ではこうした日本漁業の発達を歴史的に概説し,それとの関連で外国の漁業についても若干触れることにしよう。なお第2次大戦後については〈水産業〉の項目を参照されたい。
【原始・古代から中世の漁業】
 採取産業である漁業は原始時代から行われたが,その発達は内陸の河川湖沼や海面沿岸水域のうちで漁業が行われやすい条件をもったところで始められたと思われる。そして奈良時代以前から,突具,釣具,網のほかに(えり),(やな),(うけ),それに鵜飼いなどの漁具漁法が用いられていたという。…

【岬】より

…海に突出した陸地の先端部。成因としては,山稜が沈水した場合や,硬い岩石からなるため波の浸食に抗して形成される場合が多い。また砂の堆積で突出する砂嘴(さし)の岬もある。瀬戸内海の岬の多くは沈水山稜タイプであり,太平洋に突出する犬吠埼(いぬぼうさき),伊良湖岬(いらごみさき)などは硬岩タイプである。また北海道の野付崎(のつけざき),神戸の和田岬などは砂嘴タイプである。岬を示す用語としては,岬,崎,埼,碕のほかに角,鼻などがある。…

【山】より

…地表の個々の突起部をいい,山地は地表のうち複雑な起伏が広がっている山の集合する部分をいう。標高の最高はヒマラヤのエベレスト(8848m)である。山とは必ずしも高さの大小だけではなく,相対的な高みを指し,かつ山頂を囲む斜面との組合せでできている地形をいう。 標高だけで高山(3000m以上),中山(1000~2000m),低山(1000m以下)とする区分もあるが,主要な山稜とそれに付随する主要な谷との間の高度差で示される起伏量の大小に従って,山地を大起伏山地(起伏量1800m以上),中起伏山地(900~1800m),小起伏山地(600~900m),丘陵地(150~600m)とする区分がある(アメリカの地理学者トレワーサによる)。…

※「ヤマアテ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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