世界大百科事典(旧版)内のヤルリクの言及
【タタールのくびき】より
…それと前後して,貢税(上納金)や特別税の徴収その他の権限をロシア諸公国の大公に委託し,収奪をより間接的で安定したものに変えていった。また,ハーンの特許状(ヤルリク)授与による大公位の認定操作には,諸公を競いあわせ,ハーンに反対するロシア人支配者の出現を阻む政治的ねらいがこめられていた。 旅程のきびしさと風俗習慣のちがいにより,伺候中または途中で病死したり(初めの100年間に6人),意図的に処刑,殺害されたり(10人以上)したロシア諸公も,14世紀にはむしろ,ロシア支配層の勢力削減をはかるハーンの介入政策を逆手にとって,諸公国・ハーン国間の複雑な対立と同盟関係のなかで自己の地位の強化をはかっていく。…
※「ヤルリク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」