世界大百科事典(旧版)内の《ユグルタ戦記》の言及
【サルスティウス】より
… スラの独裁が生み出した暴力的社会状況の象徴ともいうべきカティリナの陰謀事件(前62)を描いた《カティリナ》以来,サルスティウスの主題は一貫して崩壊の度を加えるローマ社会の同時代史であった。第2作《ユグルタ戦記》は,前118年からのヌミディア王位継承紛争をきっかけに暴露されたローマ名門貴族(ノビレス)の腐敗と反動政治に対する平民派の抵抗開始を描いて,彼にとっての〈現代史〉の出発点を分析したものであった。また断片しか残っていない最大の著作《歴史》は,スラの死(前78)後,前67年までを扱って《カティリナ》《ユグルタ戦記》両時期の間の架橋を目ざすものであった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」