百科事典マイペディア 「ラジウムエマネーション」の意味・わかりやすい解説
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…天然に存在するものはラドンの同位体222Rn(ラドン),220Rn(トロン),219Rn(アクチノン)であり,その他人工的につくられたアルゴンの同位体37Ar,41Ar,クリプトンの同位体87Kr,キセノンの同位体133Xe,135Xeなどがそうである。キュリー夫妻は放射能の研究中,ラジウム化合物の周囲の空気が放射性を示すことに気づいたが,E.ラザフォードはこれが希ガス元素に属する放射性気体によるものであることを確かめ,これをラジウムエマネーションとよんだ(のちに,ラジウムから変脱生成するものだということでラドンの名称が与えられた)。さらに同じようにしてトリウムからトリウムエマネーション(トロン),アクチニウムからアクチニウムエマネーション(アクチノン)も見いだされ,一般にエマネーション(emanateは放射するという意)と総称され,記号もEmとされたが,これらはすべてラドンに統一された。…
…1898年キュリー夫妻はラジウムの化合物の周囲の空気が放射性をもつことを見いだし,これをドルンF.Dornが1900年ラジウムから発生する気体によるものであることを明らかにした。さらにイギリスのE.ラザフォードら,F.ソディ,W.ラムゼーは,この気体が不活性ガスで,周期表中0族に属することを確かめ,ラジウムエマネーションradium emanationと呼んだ。またラムゼーはグレーR.W.Grayとともに比重の測定からそれまでに知られた最も重い気体であることを示し,ガラス管中で気体を液化するとリン光を発するのでラテン語のnitere(輝く)にちなんでニトンnitonと呼ぶことを提唱したが,1923年国際会議でラジウムから変脱生成するものということからラドンの名称が採用された。…
※「ラジウムエマネーション」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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