世界大百科事典(旧版)内のラテルネン・デッケの言及
【アルメニア美術】より
…この地ほど円蓋をいただく集中式建築を愛好して,そのさまざまの形式を試みているところは他に類例をみない。これらのなかには地中海圏の諸要素とともにイラン系諸要素が濃厚に見いだされ,ササン朝建築の影響とならんで中央アジアの遊牧民の住居(テント)の天井形式(ラテルネン・デッケ)が石造に移され,さまざまのアーチ形式に発展しているのは注目に値する。聖堂を飾る彫刻も西アジアやイランの伝統が強く,扁平に刻み,幾何学文や組紐(くみひも)文のような抽象的図様が有力であって,人物像や古典系植物文を取り上げても,これを巧みに全体の図様構成のうちに同化している。…
※「ラテルネン・デッケ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」