世界大百科事典(旧版)内のラブラドールの言及
【家】より
…農場主と奴隷の中間にムラートなど混血の自由人,元奴隷などがいて,奴隷を統制する役割を担っていた。独立自営農の発達はおもに20世紀の現象で,それ以前にはアグレガードとかラブラドールと呼ばれる農場主への依存性の高い農民がプランテーション領地内に居住していて,農業を営みながら農場への多様な役割を果たしていた。以上のさまざまな人々はみな農場主と庇護奉仕,支配従属の関係で強く結ばれていて,これにはやはりコンパドレ制が大きな役割を果たしていた。…
【モラドール】より
…歴史的には,17,18世紀,ブラジルの北東部の奴隷労働に基づく砂糖農園(エンジェーニョ)の成立,発展の過程で現れる。農場主を頂点とし,奴隷を底辺として構成される農場社会にあって,農業生産部門では,ラブラドールlavradorとモラドールは,主要な中間層を構成した。ラブラドールは,植民のための分与地(セズマリア)を入手し製糖場を建設するだけの資格または資金のない白人植民者(農場主の子息や兄弟であることが多い)で,農場内で借地しサトウキビ栽培を行う刈分農(分益農)である。…
※「ラブラドール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」