ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ランスモール」の意味・わかりやすい解説
ランスモール
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…ノルウェーの世紀末小説家。ランスモール(方言語彙を集めてつくられた言語)で書き,その国語化に尽くした。農夫の父は厳格な敬虔派で宗教的苦悶から自殺,彼の一生に影を落とした。…
…ノルウェーは1814年にデンマークの支配を脱して独立するにあたり,デンマーク語にノルウェー口語を混和させたリクスモールriksmålを作り上げた。ところがこれとは別に西部農村地帯の方言に立脚したランスモールlandsmålが組み立てられ,両者の間に言語の内戦が繰り返されている。現在でも,それぞれボクモールbokmål,ニューノルスクnynorskと名称を改め,相互に正書法を補正しながら,階級闘争まがいの勢力争いを続けている。…
…直接の結実は,民話伝説を収録したアスビョルンセンPeter Christen Asbjørnsen(1812‐85)とモエーJørgen Moe(1813‐82)のしごと(《ノルウェー民話集》第1巻は1841刊),牧師のランスタMagnus Brostrup Landstad(1802‐80)が集めた民謡集,リンネマンLudvig Mathias Lindeman(1812‐87)のメロディ採譜,独学の言語学者オーセンIvar Aasen(1813‐96)のノルウェー特有の語彙・文法の収録・整理等々のしごとである。オーセンの《ノルウェー国民語文法》(1848),《ノルウェー国民語辞典》(1850)は,デンマーク語式の書き言葉に対してノルウェー自体の言語(ランスモールLandsmål。今日の〈新ノルウェー語〉の前身)を形成する基盤となった。…
…一つはデンマークとの連合時代以来存在する文語を,発音・語彙に関してノルウェー語化する方法であり,H.イプセンなどの作家が使用した,このいわゆるデンマーク・ノルウェー語はリクスモールriksmålと呼ばれた。他の一つは,ノルウェー語のデンマーク語からの解放を目ざすオーセンIvar Aasen(1813‐96)が提唱した,特に西ノルウェーの諸方言を基礎とした文語の創造であり,この文語はランスモールlandsmålと呼ばれた。このようにして,ノルウェーは上述の二つの公用語をもつことになるが,1929年にはこれら二つの文語にそれぞれボクモールbokmål(=〈本のことば〉),ニューノルスクnynorsk(=〈新ノルウェー語〉)の公式名称が与えられた。…
※「ランスモール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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