世界大百科事典(旧版)内のリアリズム映画の言及
【土】より
…配役は勘次が当時内田吐夢作品の常連であった小杉勇,おつぎが新人の風見章子,卯平が日活の名優山本嘉一。茨城県の農村に撮影用の農家を建て,そこにスタッフが住み込み,約1年間かけて撮影されただけあって,碧川(みどりかわ)道夫のカメラによる画面は,農村の四季をなまなましく克明にうつし出し,リアリズム映画の一頂点と目されるに至っている。内田吐夢は当時,稲あるいは米に関する記録映画を撮りたいと考えていたといわれ,そのことがこの作品に大きく反映して,自然主義リアリズムを超えるドキュメンタリズムの迫力を結実させている。…
※「リアリズム映画」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」