リケッツ,E.(読み)りけっつ

世界大百科事典(旧版)内のリケッツ,E.の言及

【スタインベック】より

…その作家的栄誉を担う作品がすべてこの地を母胎とするに反し,ここと断絶した世界に文学空間を築こうとした少数の作品では,作者の想像力が自由に躍動していないうらみが残る。1919年に入学したスタンフォード大学では生物学(特に海洋生物学)に興味を示したが,モンテレーの生物学者エドワード・リケッツとの親交は〈非目的論的思考〉と自称する基本的思考態度を培い,いわゆる〈生物学的人間観〉や〈集団人(グループ・マン)〉なる認識を定着させた。その内容はリケッツとともに行ったカリフォルニア湾での生物採集記録《コルテスの海》(1941)に詳しいが,人間社会の事象をも善悪の判断や価値観とは無縁の生物界の現象からの類推によってとらえようとするこの態度は,彼の人間観・世界観の根底をなす姿勢であるだけに,作品のすべてに影を投じている。…

※「リケッツ,E.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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