世界大百科事典(旧版)内のリスティング,J.B.の言及
【位相幾何学】より
…以上のように,位相幾何学は図形の位置と形相に関する直観に本質的に訴える幾何学といえるが,このことが位と相の幾何学,すなわち位相幾何学の名の由来である。
[トポロジー]
位相幾何学はトポロジーとも呼ばれるが,これはギリシア語のtopos(場所)とlogia(学)に由来し,リスティングJ.B.Listing(1808‐82)の著書《トポロジーへの試論Vorstudien zur Topologie》(1847)にはじまる。リスティングはトポロジーを〈空間の中の点,線,面および位置について,量や大きさとは別の,形状,位置を示す法則を研究する学問〉と定義している。…
【幾何学】より
…ガウスの影響で曲面の位相幾何学の研究が活発となり,メービウス,リーマンらによって曲面のつながり方の研究がなされ,向きのつけられない曲面として有名なメービウスの帯が発見され(1857),また関数論で重要な役割をなすリーマン面の概念が得られた(1851)。トポロジーということばも,リスティングJ.B.Listing(1808‐82)が1847年に書いた小冊子の表題として初めて文献に現れた。曲面はこれらの人たちに続いて,C.ジョルダン,シュレーフリL.Schläfli(1814‐95),ディックW.F.A.von Dyck(1856‐1934)らによっても研究され,19世紀末葉には閉曲面の同相による分類が完成した。…
【トポロジー】より
…また,この構造が内容や方法上で問題となる数学のことを広くトポロジー(訳して位相数学)と呼ぶこともあるが,ふつうはもっと狭く,図形の位置や形状に関する性質で,図形を構成する点の連続性にのみ依存するものを研究の対象とする数学のことをトポロジー(訳して位相幾何学)と呼ぶ。リスティングJ.B.Listingは1847年に著書《Vorstudien zur Topologie》を出版し,トポロジーということばを使っているが,この数学の実質的創始者であるH.ポアンカレは,この数学をanalysis situs(位置解析学)と呼び,長らくこのことばが使われていた。トポロジーということばが普及したのはS.レフシェッツの著書《Topology》(1930)の影響が大きい。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」