世界大百科事典(旧版)内のリッロ,G.の言及
【近代劇】より
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[成立過程]
近代社会あるいは近代人の諸矛盾を客観的・再現的に舞台上に表現しようとする〈近代劇〉の萌芽は,18世紀の〈市民劇〉に求められる。庶民の出る劇は喜劇に限るとする伝統を破って市民悲劇が登場するのはブルジョアジーの台頭と軌を一にするが,その早い例の一つ,G.リッロ(1693‐1739)の《ロンドンの商人》(1731)はロンドンはおろか大陸でも大当りし,ドイツのレッシングに市民悲劇の傑作《ミス・サラ・サンプソン》(1755)を書くきっかけを与えた。同じころフランスのD.ディドロは市民生活に題材をとったまじめな劇を提唱し,悲劇でも喜劇でもない新しい〈ドラマdrame〉なるジャンルを定式化した。…
※「リッロ,G.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」