世界大百科事典(旧版)内のるつぼ鋳鋼法の言及
【鉄】より
…錬鉄,鋳鉄の〈共融解〉法と同じ方法が16世紀のイタリアのビリングッチョV.Biringuccio(1480‐1538)によって実施されている。インドのるつぼ鋼法は18世紀のB.ハンツマンのるつぼ鋳鋼法の先行者で,19世紀に評判になったF.vonウハティウスの〈鉱石鋼〉法そのものである。こうして紙,印刷,磁石,火薬についてのいわゆる古代技術の東高西低は製鉄技術についても完全にあてはまるといえそうである。…
【ハンツマン】より
…イギリスの発明家。はじめはドンカスターの時計職人。時計に使うぜんまいの良質の材料を求める過程で,浸炭鋼の改良を企て,研究に着手。1740年るつぼを使って鋳鋼をつくる方法,すなわち〈るつぼ法〉を発明した。この方法は,るつぼの中に錬鉄と浸炭鋼,鉱滓を取り除くための媒溶剤とを入れて溶融するもので,これによって非常に良質の鋼(るつぼ鋼)が生産できるようになった。当初は本国で認められず,フランスに輸出されるほうが多かったが,やがてイギリスのなかにも根づきイギリス製鋼業の発展の基礎となった。…
※「るつぼ鋳鋼法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」