世界大百科事典(旧版)内のル・プレー・ハウスの言及
【ル・プレー】より
…研究の方法として家計分析を中心とする数量的な方法と,対象の精緻な記録からなる記述的な方法を用い,ヨーロッパの資本主義化に伴う国民の社会関係の変容(コミュニティの喪失)は,物質的な窮乏のみに着目する社会主義者による政治的な革命によっては救済されず,〈道徳的な経済économie sociale〉の復権によって対処するべきだとし,職場での上司からの温情主義と,家庭での父親―母親の分業を基とする伝統的秩序の回復を説いた。研究法はル・プレー学派によって継承され,1881年には〈道徳経済協会〉から機関誌《社会改良》が刊行され,その思想は広くヨーロッパ中に伝播(でんぱ)し,イギリスに〈ル・プレー・ハウス〉を生んだ。今日でも実証的・実務的な社会研究者の手本とすべき議論が多く残されている。…
※「ル・プレー・ハウス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」