世界大百科事典(旧版)内のレリクトの言及
【生きている化石】より
…地質時代に全盛期を迎え,現在はその系統の末裔が,基本的な性質をあまり変えないまま,細々と生きている動植物の通称。広義の遺存種(残存生物)に含まれるが,ふつうレリックまたはレリクトと称されるものは,氷河時代に寒冷種が南下して分布していたのに,後氷期となって大勢は北上したにもかかわらず高地などに残存し,隔離分布の形をとるようになったグループを指すので,生きている化石の典型ではない。生きている化石の典型とは,例えば中生代以後のように,かなり長い年代を存続しているグループのことであり,したがって体制としてもより原始的な構造を多くとどめているのが特徴といえる。…
【遺存種】より
…かつては繁栄していた生物が絶滅しかかったり,あるいは地理的隔離をうけたり形態的,生理的に特殊化したことで絶滅しやすい状態におかれている生物種。残存種あるいはレリックrelic,レリクトrelictともいう。種ばかりでなく,ファウナ(動物相)やフロラ(植物相),また個体群についても用いられることがある。…
※「レリクト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」