世界大百科事典(旧版)内のロシュモント,L.deの言及
【スリラー映画】より
…オットー・プレミンジャー監督の《ローラ殺人事件》(1944),フリッツ・ラング監督の《飾窓の女》(1944),ビリー・ワイルダー監督の《深夜の告白》(1945),ロバート・シオドマク監督の《らせん階段》(1945)等々がそれである。 いわゆる〈セミ・ドキュメンタリー〉の手法を用いたスリラー映画も流行し,FBIの記録にもとづく《Gメン対間諜》(1945),実際の殺人事件を描いた《影なき殺人》(1947),集団脱獄事件を描いた《真昼の暴動》(1947),殺人犯の追跡を描いた《裸の町》(1948),FBIの記録による《情無用の街》(1948)などがつくられ,ルイ・ド・ロシュモントLouis de Rochemont(1899‐1978)のセミ・ドキュメンタリー・スタイルのニュース映画《ザ・マーチ・オブ・タイム》(1935‐51)に示唆されたといわれるこれらの映画の傾向は〈ニュー・リアリズム〉ともよばれた。そしてヒッチコックは,展開される物語の時間と映画そのものの時間が一致する《ロープ》(1948)で,それまでの映画のつくり方の常識をひっくり返して全編をワン・カットで撮るという未曾有の実験を試み,スリラー映画流行の一つの頂点を示した。…
【セミ・ドキュメンタリー映画】より
…第2次世界大戦直後に大流行したアメリカの記録映画タッチの作品群に対する名称で,命名者はルイ・ド・ロシュモントLouis de Rochemont。第2次大戦中,雑誌《タイム》の製作・提供で,記録映画やニュース映画を再編集した時事解説用ドキュメント・シリーズ〈ザ・マーチ・オブ・タイム〉を作っていたロシュモントは,戦後映画界に入ると,この経験を生かして,記録映画と劇映画を融合する形式を考え,製作に乗り出した。…
【ドキュメンタリー映画】より
… 一方,アメリカでも,早くから反ナチ宣伝映画がつくられていた。ルイ・ド・ロシュモントの20分のドキュメンタリー・シリーズ《マーチ・オブ・タイム》(1935‐51)は,《タイム》《ライフ》《フォーチュン》各誌の編集方針に合わせて時事問題を扱ったものであり,また,38年に政府によって設置された〈USフィルム・サービス〉は,スラム街を描いたペア・ロレンツの《生活への闘い》(1941),不況下の農業問題を扱ったフラハティの《土地》(1942)をつくった。のちこの組織は戦時情報局に吸収されているが,ジョン・スタインベックの脚本によるハーバート・クライン《忘れられた村》(1941)が自主製作されたことも注目される。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」