世界大百科事典(旧版)内のロンド・ソナタ形式の言及
【楽式】より
…提示部,展開部,再現部(最後にコーダがくることもある)から成る一種の3部形式だが,対照的な性格の複数の主題が大規模に展開されることと,近親調から遠隔調を経て主調に戻る有機的な調設計に特色がある。(4)ロンド・ソナタ形式 ロンド形式の回帰の原理とソナタ形式の発展の原理が統合された複合形式。ロンド形式のCの部分が展開部に相当する。…
【ソナタ形式】より
…このようにソナタ形式の特徴としては,(1)提示部の調的対比,展開部での遠隔調への彷徨,再現部における調的統一,という調設計の原理,(2)互いに性格を異にする複数の楽想による主題対比の原理,(3)とくに展開部における動機労作などをあげることができるが,(2)(3)の原理と,表に見られる典型的な形式に完全にあてはまる実際例は必ずしも多くはなく,基本的には(1)の原理に本質を見ることができる。 ソナタ形式は第1楽章以外にも頻出するが,とくに終楽章のロンド形式と結び付いたものを〈ロンド・ソナタ形式〉と呼ぶ。また一般的ではないが,ソナタの楽曲全体の楽章構成法をさすこともある。…
【ロンド形式】より
…実際にはロンド形式に合致しないロンドも多いので,特定の形式構成よりも主題のそうした性格にこの形式もしくはジャンルの本質を認める考え方もある。ソナタ形式の主題法と調設計,展開操作などの原理と融合したものをソナタ・ロンド形式あるいはロンド・ソナタ形式という。これは大ロンド形式の中央のCが展開部,その前後がそれぞれ提示部,再現部に相当するものである。…
※「ロンド・ソナタ形式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」