ワッソン,R.G.(読み)わっそん

世界大百科事典(旧版)内のワッソン,R.G.の言及

【キノコ(菌∥蕈∥茸)】より

…一方では魔性の生き物として恐れられ,一方では不老長生の霊薬とされ,あるいは幸福の使者とされ,ときにはおとぎの国,夢幻の世界に誘う神秘の生き物とされる。アメリカのモルガン商会の総裁であったワッソンR.G.Wassonは,趣味から取り組んだキノコにまつわる民俗学的研究を発展させて,キノコ民俗学ethnomycologyの分野を開拓した。ワッソンの研究はメキシコの山岳地帯に住む原住民に伝わる幻覚性キノコに伴う風習について,またインドのバラモン教の聖典《リグ・ベーダ》にある神にささげる聖なる供物ソーマについて考証をすすめ,これがベニテングタケであるという独創的な説を発表した。…

【幻覚薬】より

…テオナナカトルteonanácatl(〈神の肉〉の意)はキノコPsilocybe Mexicanaで,これを食べると神と交信できると考えられていた。1953年にワッソンR.Gordon Wasson夫妻が初めてその儀式に加わり,キノコを持ち帰ってホフマンが分析した結果,有効成分はサイロシビンとサイロシンであることがわかった。メスカリンの約100倍強力な物質だがLSD‐25の1/100の力しかない。…

【ワライタケ(笑茸)】より

…日本特産種。 幻覚性キノコが学界の注目をひいたのは,特異な毒性にもよるが,ワッソンR.G.Wassonらによってメキシコのインディオに伝わる風習が研究されてからである。原住民から悩みごとを訴えられたとき,神に仕える巫女が神前でシビレタケ属のキノコを食べて,一種の精神分裂症状態に陥り,神がかり状態となって,神のお告げを聞くのである。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」