ワーグナー,L.H.(読み)わーぐなー

世界大百科事典(旧版)内のワーグナー,L.H.の言及

【シュトゥルム・ウント・ドラング】より

…この運動の主要な劇作家は,クリンガーとJ.レンツの対比に見られるごとく,情熱的天才タイプと感傷的情緒不安定タイプに大別される。代表的戯曲を傾向別に挙げると,まず自己の本性の無限の実現を邪魔するいっさいの生活規範を否認する〈どえらい奴grosser Kerl〉を描くゲーテの《ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン》(1773),クリンガーの《双生児》(1776)など,次に普遍的人間的自由への革命的要請を歌いあげたシラーの《フィエスコの反乱》(1783),《たくらみと恋》(1784),第3に社会における個人の自由を求めたライゼウィッツJohann Anton Leisewitz(1752‐1806)の《ターレントのユーリウス》(1776),シラーの《群盗》(1781),そして社会的被抑圧者のための正義を訴えたワーグナーHeinrich Leopold Wagner(1747‐79)の《嬰児殺し》(1776),レンツの《軍人たち》(1776)に大別される。しかし,これらの独創的な天才たちが提示した文学の本質に関する基本的見解は,ゲーテやシラーの古典主義作品,さらにはロマン主義文学に受け継がれ,20世紀の表現主義文学にもつながる重要な発言であったが,この運動の持つ既成秩序に対する抗議,反抗といった側面は過渡期的現象に終わり,急速に衰退していった。…

※「ワーグナー,L.H.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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