アノミー的自殺(読み)あのみーてきじさつ

世界大百科事典(旧版)内のアノミー的自殺の言及

【アノミー】より

…デュルケームは《自殺論》では,急速な産業化による社会の規範体系の動揺が,個々人の欲求の無際限の肥大とそれによる苦痛を惹起(じやつき)することに目をむけ,これを自殺の発生の一条件として重視した。この型の自殺はアノミー的自殺と名づけられている。 デュルケーム以後,資本主義化,都市化,大衆化などが大規模にすすむアメリカで,この概念が注目を浴びるようになり,G.E.メーヨー,R.M.マッキーバー,D.リースマン,R.K.マートンらの社会学者を通じて独自の展開をみている。…

【自殺】より

…デュルケームは《自殺論Le suicide:étude de sociologie》(1897)で,社会現象としての自殺(率)の動向を,個人の病態心理的要因や人種,遺伝,気候などの生物学的要因では説明しきれないとし,社会的構造の特性との関連で考えた。すなわち,彼は近代社会に特徴的な自殺のタイプとして,(1)愛他的自殺suicide altruiste,(2)利己的自殺suicide egoïste,(3)アノミー的自殺suicide anomique,(4)宿命的自殺suicide fatalisteの四つに分類した。(1)は社会の統合が過度のため,個人の関心や生命が過小評価される社会において現れ,自殺は義務として強いられ,また,尊敬すべき行為とみなされる場合もある。…

※「アノミー的自殺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android