世界大百科事典(旧版)内のアラゴン事件の言及
【アラゴン】より
…詩集《歓びの火》(1920),《永久運動》(1925),小説《アニセまたはパノラマ》(1921),《パリの農夫》(1926)などの作品には,諧謔と抒情の混在する饒舌的文才が遺憾なく発揮されている。共産党入党,マヤコフスキーの義妹エルザ・トリオレとの出会いを契機としてやがてシュルレアリスムとたもとをわかち(いわゆるアラゴン事件),ロシア革命を賛美する《ウラル万歳》(1934)のような詩集を発表するとともに,社会主義レアリスムを唱えて〈現実世界〉の総題をもつ膨大な連作小説を発表しはじめた。第2次大戦中は対独抵抗運動に身を投じ,《断腸》《エルザの瞳》《フランスの起床らっぱ》をはじめとするレジスタンス詩の傑作を次々と発表し,伝統的な詩法で愛国的感情をうたう大民衆詩人として広く愛誦された。…
※「アラゴン事件」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」