インス,T.H.(読み)いんす

世界大百科事典(旧版)内のインス,T.H.の言及

【アメリカ映画】より

…エイゼンシテイン,ラング,ルノアール,ドライヤー,ヒッチコック等々,やがて映画の最初の黄金時代を築く各国の巨匠たちは皆,グリフィスに学んだことを強調し,〈グリフィスの国〉で映画を撮ることを,すなわち〈アメリカ映画〉を撮ることを生涯の夢としたのである。 一方,グリフィス,M.セネットと並んで草創期のアメリカ映画の三大監督といわれたT.H.インス(1882‐1924)は,プロデューサーを中心とした撮影所のシステムを作った。それがハリウッドの映画製作のシステムの基本となり,ムッソリーニが建設したイタリアのチネチッタも,ソ連のモスフィルムも,世界の撮影所がすべてこのシステムを採用することになる。…

【サイレント映画】より

…それは,奇想天外なアイデアをもとにした,論理の継続がなくその場かぎりのアクションで終わる〈アクション・コミック〉で,映画だけができる超現実的なファンタジーを具現して見せた。 第1次大戦を契機にアメリカ映画が世界の映画をリードしたが,D.W.グリフィスの《国民の創生》(1915)と《イントレランス》(1916)およびトーマス・H.インス(1882‐1924)の《シビリゼーション》(1916)は,〈クローズアップ〉〈カット・バック〉などの映画的技巧を完成して〈サイレント映画〉の表現技術を集大成した。それは,写真的な〈模写〉から芸術的な〈創造〉への第一歩であった。…

【撮影所】より

… アメリカでは,のちに〈映画の都〉となるハリウッドが映画人の手で開拓されるまえに,製作の中心であったニューヨークやシカゴにおける〈モーション・ピクチャー・パテンツ・カンパニー〉という映画トラストの圧迫から逃れた映画人たちによるロサンゼルスでの製作の歴史があるが,W.N.シーリグが1909年にハリウッド最初の撮影所をつくった。続いていくつかの撮影所がつくられたが,その中でとくに注目に値するのは,D.W.グリフィスと並んでアメリカ映画の草創期に足跡を残しているT.H.インス(1882‐1924)が,12年に2万エーカーの土地を手に入れてつくったインスビル撮影所である。インスは,この撮影所に〈ワイルド・ウェスト・ショー〉をまるごと雇用し,ほんもののカウボーイ,インディアン,バッファローを使って西部劇を製作したが,同時に詳細緻密(ちみつ)な撮影台本shooting scriptを採用し,撮影所を機能別に10部門に分けて〈分業化〉を進めた。…

※「インス,T.H.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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