インド洋ダイポールモード現象

  • インドようダイポールモードげんしょう〔ヤウゲンシヤウ〕

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

インド洋熱帯域の海水温が、通常は高い東部で下がり、中央部から西部のアフリカ沖では上がる現象。西部で上昇気流、東部で下降気流が発生しやすくなり、東風が強まる。東西ダイポール(双極)型の対比を示すため、この名が付いた。太平洋で南米ペルー沖から中部赤道域までの海水温が高くなるエルニーニョ現象や低くなるラニーニャ現象と似て、インド洋の海水温変動も地球規模の気候変動に関係するらしい。山形俊男・東京大教授らが発見し、99年に発表した。これが起こると、インドネシアや豪州西部に干ばつ、対流活動が活発になる東アフリカに多雨をもたらすといわれる。夏の季節風(モンスーン)にも影響を与え、インドや中国南部の大雨、日本を含む極東猛暑などと関係が深い、とする研究もある。

(2007-12-07 朝日新聞 朝刊 科学1)

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知恵蔵miniの解説

熱帯インド洋の熱帯域で見られる気候変動現象。5、6年に一度程度の頻度で夏から秋にかけて発生し、各地に異常気象をもたらすことが知られている。同現象には「正」「」の2種類があり、前者はインド洋熱帯域の東部で海面水温が平年より低く、西部で高くなる現象を指し、後者は南東部で海面水温が平年より高く、西部で低くなる現象を指す。「正のインド洋ダイポールモード現象」が発生すると、東アフリカで雨が多く、インドネシアやオーストラリア周辺では雨が少なくなり、熱帯からの大気の変動を通して、日本では雨が少なく、気温が高くなる傾向がある。一方、「負のインド洋ダイポールモード現象」が発生すると、インドネシアやオーストラリアで雨が多くなり、熱帯からの大気の変動を通して、日本では雨が多く、気温が低くなる傾向がある。2019年、過去最大級に匹敵する強い正のダイポールモード現象が発生した。気象庁の異常気象分析検討会は20年3月、19年末から20年初頭の記録的な暖冬について、同現象が要因であるという分析結果を発表した。

(2020-4-21)

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