エルツ,R.(読み)えるつ

世界大百科事典(旧版)内のエルツ,R.の言及

【葬制】より

…この構造を最も鮮明に表しているのは上述した複葬の例である。フランスの社会学者エルツR.Hertz(1882‐1915)は,ボルネオの原住民ダヤク諸族の複葬の分析において,これが死者の肉体と霊魂および生者という三者のそれぞれが安定から不安定へ,そしてそこから再びある種の安定へと移行するという段階的な構造をもっていることを明らかにした。彼によれば,これらの社会において死は瞬間的なできごとではなく,一連の儀礼を通してはじめて完成される持続的な過程なのである。…

【右と左】より

…人間における右利き優越は,生理的制約や機能的理由によるというより,流動性のある左右分化を,象徴空間的な左右の意味の違いを社会成員が共有するために,社会的規制によって固定化させたものといえよう。 フランスの社会学者エルツRobert Hertzは,右利き優越の社会的規制を聖と俗あるいは浄と穢(けがれ)という宗教的な二元論(両極性)に由来すると説いた。確かに,右と左の対立を,右は浄・善であり左は穢・悪であると価値づける宗教文化は多い。…

※「エルツ,R.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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