世界大百科事典(旧版)内のギャップ結合の言及
【細胞】より
…
【細胞間のコミュニケーション】
多細胞生物では,まとまりのある個体としては欠かせない細胞間のコミュニケーションがいろいろなレベルで行われている。隣接細胞の間には,ギャップ結合とよばれる隣り合う細胞膜部分を貫いた多数の筒形タンパク質集合体がセットされている。筒形の中心は,隣り合う細胞の細胞質に通ずるトンネルになっており,分子量1000以下の分子は自由に通過できるので,このような低分子物質の往来が情報となりうる。…
【細胞接着】より
… 細胞間接着を電子顕微鏡を用いて微細構造レベルで解析した結果,細胞接着のための特別な構造,または細胞膜の部分のあることが知られている。接着斑(デスモソームdesmosome),密着結合tight junction,接着帯zonula adherens(または中間結合),狭間隙(きようかんげき)結合gap junction(ギャップ結合)などがそれである。上皮細胞ではしばしば,密着結合,接着帯,接着斑が上皮の自由表面から内側に向かって順に並び,結合複合体と呼ばれる構造を形成する。…
【上皮】より
…閉鎖帯のほかに上皮細胞間にはデスモソームdesmosomeという斑状の構造が散在しあって細胞間を接着している。またギャップ結合gap junctionとよばれる構造が斑状にちらばり,ここでは両細胞の細胞間がいちじるしく接近し,その間に特有のタンパク質粒子が介在し,この粒子の中央に両細胞をつなぐ小孔があり,細胞間のイオンの交流を行っている。上皮細胞の基底側には細胞膜の下に基底膜(基底板)があり上皮を裏打ちしている。…
【心筋】より
…心筋細胞は骨格筋細胞に比べて筋原繊維が少なく,筋形質が豊富である。心筋細胞の間にはギャップ結合という結合装置があり,これによって興奮が伝えられる。ギャップ結合は,ネクサスnexusともいい,小分子物質やイオンを通過させて細胞間の情報伝達にあずかる装置である。…
【平滑筋】より
…また,平滑筋は自律神経の支配を受けており,意志によって動かすことはできない(不随意筋)。神経と平滑筋の間には,骨格筋でみられる運動終板のような特別なシナプス構造はみられず,平滑筋細胞どうしはネクサスnexus(ギャップ結合ともいう)という装置で連絡しあい興奮を伝達している。筋肉【藤田 尚男】。…
※「ギャップ結合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」